2026年のプロ野球がいよいよ開幕!野球ファンにとってはまたワクワクする日々がやってきましたが、そんな中で歓迎できないのが選手の怪我のニュースです。特に手術を受けないといけない場合は長期離脱を余儀なくされます。
今回はプロ野球選手のニュースでよく聞くトミージョン手術とは何かについて調査しましたよ。
トミージョン手術とは
トミージョン手術とは、別名「側副靭帯再建術」「側副靭帯再建手術」であり、肘の腱や靭帯の損傷、断裂に対して行われる手術です。野球選手が受けたというニュース以外では、あまり聞かない名前の手術ですが、投球の際に肘の側副靭帯に大きな負担がかかるために、プロ野球選手、特に投手は肘の腱や靭帯を損傷しやすいのですね。
投手が受ける腕の手術というとトミージョン手術を連想しますが、トミージョン手術はあくまで肘の手術。肘以外の患部の手術はトミージョン手術ではありません。にもかかわらずトミージョン手術がこんなに野球界で頻発単語になっているというのは、それだけ肘の怪我が多いということなんですね。
名前の由来は?
「トミージョン」というのは人名で、ロサンゼルスドジャースなど多数のメジャー球団でプレーしたトミー・ジョン選手に因んでトミージョン手術と呼ばれるようになりました。実はトミー・ジョン選手が側副靭帯再建手術を最初に受けた選手なのです。
前例のない手術に、当時トミー・ジョン選手が手術を受けた時の成功率は1%無いほどだとも言われていましたが、1961年にプロ入り、1974年に手術を受けたトミー・ジョン選手は、その後1989年までプレー。非常に息の長い選手となりました。怪我から復活したトミー・ジョン選手は「バイオニック・トミー」と呼ばれましたよ。
ジョーブ法とも呼ばれる
ちなみに、手術を考案した医者であるフランク・ジョーブ氏の名前から「ジョーブ法」とも呼ばれているようです。フランク・ジョーブ氏は野球医学界の名医師であり、多くの投手の野球人生を救ってきた存在なのですね。
日本で人気のSwitch 野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」シリーズでお馴染みのキャラクター「ダイジョーブ博士」はこのフランク・ジョーブ氏から名前が取られています。他にもいくつかの創作物にフランク・ジョーブ氏の名前をモデルとした人物が登場していますよ。
トミージョン選手はどんな手術?
トミージョン手術では、まず損傷した腱や靭帯を切除し、その後患者の反対側及び同一側の長掌筋、下腿、臀部、膝蓋腱などから正常な腱の一部を摘出し、これを上腕骨と尺骨に作った孔の中に通して両端を引っ張った状態で固定して幹部の修復を図ります。
移植した腱が靭帯として患部に定着するまでには時間がかかるので、トミージョン手術を受けた後は長期にわたるリハビリを行う必要があり、野球選手がトミージョン手術を受けた後は1年前後実戦を離れることが多いです。更に実戦復帰から本領を発揮出来るようになるまで戻るのにはまた1年かかる、という声もありますよ。
手術後のリハビリは?
トミージョン手術を受けた後のリハビリは、まず2か月ほどかけて肘の可動域を元に戻していくトレーニングを行っていきます。日常生活において支障なく腕を動かせるようにした後、軽めのウエイトトレーニングを開始、徐々にウエイトの量を増やしていきながら、同時に腕全体を強化するためのトレーニングを行っていきます。日常生活、通常の運動ができるまでに回復したと判断された時点で投球を再開することになりますよ。
復帰には1シーズンから2シーズンほどかかってしまうものの、最近のトミージョン手術の成功率(術後の競技復帰率)は90%台後半、おおよそ100%の確率で実践復帰できるというデータが出ているのですね。
トミージョン手術を受けた選手は?
ここからはトミージョン手術を受けた選手について紹介していきたいのですが、第一線で活躍する選手、特に150キロを超える直球を投じる選手などであれば特に、この手術を受けた選手の例は枚挙に暇がないほどです。松坂大輔選手、ダルビッシュ有選手、大谷翔平選手といったメジャーリーガー達もトミージョン手術の経験者なのですね。
ここからはトミージョン手術を受けた選手の中でも特筆すべき事項がある選手たちについて紹介します。
ジェイコブ・デグロム
ニューヨークメッツで長く活躍し、現在はテキサスレンジャーズに所属するメジャーリーガー、ジェイコブ・デグロム選手はプロ入りした2010年の10月という早い段階でトミージョン手術を受けました。その後、2018年、2019年にメジャーリーグのスターターの最高栄誉、サイ・ヤング賞を受賞するなど大成功を収めましたよ。
2023年には二度目のトミージョン手術を行いました。二度目のトミージョン手術は復帰の可能性が低いと懸念されたりもするのですが、デグロム選手の場合は2025年に37歳のシーズンながら30試合に先発登板、カムバック賞を受賞するなど劇的な復活を果たしました。
館山昌平
東京ヤクルトスワローズで16年間現役を続け、279試合登板、85勝を記録した館山昌平選手は、肘関節が180度以上開いてしまうという特徴故に肘などの故障が多い選手でした。現役時代には9度身体にメスを入れ、そのうちトミージョン手術は3度もありましたが、「絶対に怪我を理由に引退したくない」という不屈の闘志で何度もマウンドに舞い戻り、2015年には11試合に先発登板して6勝を記録しチームのリーグ優勝に貢献、カムバック賞を受賞しました。3度のトミージョン手術を受けた事例は非常に稀ですよ。
出典:館山昌平チャンネル
宇野真仁朗
福岡ソフトバンクホークスの宇野真仁朗選手は高卒で入団、ルーキーイヤーだった2025年の7月にトミージョン手術を行いました。宇野選手は野手であり、野手のトミージョン手術はレアケース、投手よりも肘にかかるストレスが少ないので手術を要する事態にはなりづらいのですが、宇野選手は右肘痛を長く抱えており、「ごまかしながらではプロの世界では通用しない」と考え手術に踏み切りました。
野手のトミージョン手術は、投手に比べて復帰までが短いというのも特徴。術後8か月という2026年3月の時点で、宇野選手はスローイングやキャッチボールなどを開始、バッティングも制限なく出来る状況となっています。
最後に
今回はトミージョン手術とは何か、トミージョン手術を受けた選手などについて紹介しました。野球選手以外にも、やり投げ選手などにトミージョン手術を行う選手はいるのだとか。やはり投擲種目の選手がトミージョン手術を受けるのですね。トミージョン手術を受けた選手の今後の活躍にも期待したいところです。














