今年も多くの日本人野球選手が活躍しているメジャーリーグ。メジャーにはマイナー契約という制度があり、メジャーリーグ関連のマイナーと聞くと日本でいう二軍を連想する人が多いかもしれません。ただ、マイナー契約とはもう少し複雑なところがあるんですよ。
今回はマイナー契約とメジャー契約の違い、25歳ルールについて紹介します。
マイナー契約とは
MLBにおけるマイナー契約とは、メジャーリーグではなく各球団の傘下のマイナーリーグでプレーすることを前提に結ぶ選手契約のことを指します。日本では支配下の選手は一軍での活躍が見込まれる選手、まだ一軍での活躍は遠いかなぁという選手も一律の同じ制度で契約を行います……が、日本には育成選手、育成契約の制度があり、これがマイナー契約と似ているところがあると言えますね。
出典:髙橋尚成のHISAちゃん
メジャー契約とマイナー契約の違い
メジャー契約の選手というのは、基本的に40人ロースターに登録されている選手のことを指します。40人ロースターに登録されている選手というのは、つまりメジャー公式戦へ出場できる資格を持つ選手のことです。一方でマイナー契約の選手はこの40人ロースターに登録されておらず、メジャー公式戦に出場することが出来ません。
また、メジャー契約の選手はMLBの労使協定に基づいた待遇を受けられますが、マイナー契約の選手はそれを受けられず、最低保証年俸も比較にならないほど安いです。
マイナーリーガーのメジャー昇格や降格の諸々
日本の二軍の選手が一軍に必要とされた時に昇格するように、メジャーでもマイナー選手がシーズン途中にメジャー昇格を果たすことはよくあります。ただ、メジャー契約、マイナー契約という括りで明確に区別されている事情もあり、メジャー昇格と降格のシステムは少々ややこしいところがありますよ。
昇格はそこまで問題はありませんね。マイナーリーグの選手とメジャー契約を結んで40人枠に昇格させます。この際、球団は40人を超えないように既存の選手をDFA(他球団に譲渡可能な状態にする措置)及び負傷者リストへ登録して枠を空ける必要があります。
40人枠の選手の降格にはリスクが伴う
40人枠の選手を40人から外す際にはDFA、つまり他の球団が自由に獲得できるような状態にする必要があるのですが、40人枠の選手は常にメジャーの試合に出れるわけではなく、その中でも基本は26人の枠となるMLB公式戦に出場できる選手登録枠に入った選手しかメジャー戦には出場できません。26人枠に入っていない40人枠の選手は、メジャー契約の選手でありながらマイナーリーグで調整を行うことになるのですが……このマイナー降格も考えなしに行えるわけではありません。
一人の選手に対し一年間に行える降格の回数は計5回まで
これは2022年に導入されたルールなのですが、26人枠の選手がそこから外れるたびに一度オプションされたという扱いになり、球団が一人の選手に対して行えるオプションの回数は一シーズンにつき5回まで。平たく言えば、一人の選手を1シーズンに昇降格させられる回数は5往復までということになります。40人枠で開幕を迎えながら26人枠に入れなかった選手についても、その時点で1度オプションされたということになりますよ。
とはいえ、往復5回というのはなかなかの回数。このルールはそこまで気にする必要もないような気はしますね。
飼い殺しを防ぐマイナーオプション
より大事なのは、キャリアで初めて40人枠に登録された際にマイナー・オプションが3シーズン分与えられるという仕組みです。シーズン終了時、シーズンで1回以上オプションされ、更にマイナー在籍期間が合計20日以上だった選手は1シーズン分のマイナー・オプションを消費することになるのです。マイナー・オプションを3シーズン分消費した選手について、以降球団はオプションできなくなる、つまり26人枠から外すことができなくなり、もし外したい場合はDFAを行う等、球団から放出するリスクを背負う必要が出てきます。これは選手の飼い殺しを防ぐためのルールなのですね。
なお、プロ在籍5年より前に3シーズン分のマイナー・オプションを消費した選手については、新たに1シーズン分のマイナー・オプションが与えられます。
25歳ルールとは?
さて、近年のメジャーリーグ関連のニュースでよく話題となっているのが25歳ルールです。25歳ルールは2016年12月にMLBと大リーグ選手会が締結した新しいルールで、具体的には「25歳未満の選手を獲得する際にはマイナー契約しか結べず、契約金や年俸も制限される」というものになっています。このルールの意義はどこにあるのでしょうか?
戦力の均衡
まず、資金力のある球団が優秀な若手選手を独占することを防ぐことができます。獲得のために使える資金に制限がかかることで、資金力に差がある球団間でもある程度平等な獲得競争を行うことができるのですね。
アメリカ国内の若手選手の保護
しかし、金銭面が制限されるということは、選手に入ってくるお金も少なくなり、移籍の旨みが少なくなるので25歳まではメジャー移籍を断念する可能性が高くなります。
この25歳ルールには、アメリカ国内の若手選手の保護という意義もあり、若い外国人選手の大量流入でアメリカ人選手の活躍の機会が奪われることを防ぐ役割も果たしているのです。
佐々木朗希が23歳でメジャーへ
しかし、2024年シーズンオフ、千葉ロッテマリーンズはポスティングシステムを利用して佐々木朗希選手がメジャー挑戦することに。マイナー契約しかできないため、マリーンズに入ってくる金額は少なく、佐々木朗希選手を獲得したのはロサンゼルス・ドジャース。資金力に勝る球団が25歳未満の若手有望株を安い金額で獲得するという事態になってしまいました。
佐々木朗希選手の移籍については日米で物議を醸し、週刊誌でも様々な憶測がとりあげられ、佐々木朗希 母 やばいという望ましくない個人への誹謗中傷じみた論調までSNSなどで見られるようになってしまいましたよ。
最後に
今回はマイナー契約とはどんな契約なのか、メジャー契約との違いや25歳ルールについて紹介しました。25歳ルールについてもまだまだ課題はあるのかなぁという印象を受けた佐々木朗希選手の移籍劇。選手としては勿論なるべく若いうちからメジャーリーグに挑戦したいところですから、メジャーリーグと、他国のプロ野球リーグ、そして選手達の利益が最も高い所で共存するルールを目指して行ってほしいですね。













